フリーランスは企業に所属せず、個人でクライアントと契約を結んで仕事を行う働き方です。
自由で柔軟な働き方に注目が集まっており、日本でもフリーランス人口は年々増え続けています。
ですがフリーランスになりたいから会社をすぐに辞めて早速独立!・・といった行動はお勧めできません。
まずは事前準備がとても大切です。
フリーランスはどんな働き方で、独立前にどんなことを押さえておく必要があるのかをこの記事ではご紹介していきます。
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フリーランスの働き方
フリーランスは「特定の組織に所属せず、自らの専門スキルを提供することで報酬を得る人」のことを指します。
「どうしたらフリーランスになれるのか?」というとフリーランスには様々な形態があります。
例えば企業の代表として他の企業の仕事を請け負う場合や、個人事業主として仕事を請け負う場合もフリーランスです。
さらに最近では、就業時間外で副業として仕事を請け負う会社員もフリーランスと言われていますので、
フリーランスの定義は幅広いものになっています。
フリーランスと個人事業主の違いってあるの?
フリーランス以外に「個人事業主」という言葉を耳にする機会もあると思います。
両方とも独立して会社や組織に所属せずに仕事を請け負っている人のことを指していますが、
フリーランスと個人事業主に明確な定義が定められているわけではなく、一般的な認識からするとフリーランスと個人事業主はほぼ同じ意味で使われています。
フリーランスに最低限必要な3つのこと
フリーランスには何が最低限必要な事が3つあります。
1.専門的なスキル
2.自己責任感
3.気にしない力
それぞれ解説していきます。
1.専門的なスキル
フリーランスになるためにまず絶対に必要なのが「専門スキル」です。
デザイン、ライティング、翻訳、プログラミング、秘書など、特定の分野での確実な専門スキルが必要になります。
2.自己責任感
フリーランスになったら会社のように同じ空間にいて疑問や質問に答えてくれる先輩や上司はいません。
自分の代わりに誰かが仕事をしてくれることもありません。
分からない事は自分で学びながら調べていき、実践をしていく。
そして起こることに対して全て自分で責任を取る自己責任の姿勢はフリーランスには必須になります。
気にしない力
フリーランスは一人でやることも多く、不安や悩むことも沢山ありますがある程度は楽観的に考えて
どんどん進んでいくポジティブなパワーも必要です。
悩む時間よりも、基本的には何があっても「気にしない力」を身つけていきましょう。
気にしない力については、こちらの記事で詳しく解説しています。
フリーランスに向いている専門的スキル
フリーランスとして活躍しやすい職種はいくつか挙げられます。
具体的には・・
①デザイナー
②ライター
③IT系
④マーケター
それぞれ解説をしていきます。
①デザイナー
デザイン・イラスト等を扱うクリエイティブ要素が強い職種は専門性が高いのでフリーランスになりやすい職種です。
主にWebデザイナー、漫画家、イラストレーター、カメラマン、ゲームプランナーなどが挙げられます。
デザインを仕事とする職種は自分のスキルをクライアントに営業しやすいため、フリーランスとして独立する人が多い業界です。
企業に勤めるメリットは、規模の大きい案件やプロジェクトを経験できる事です。
対してフリーランスになるとあなたのデザインセンスを信頼して依頼してくれる案件になるので
自分にしか出来ないやりがいのある仕事を経験する事ができます。
もし自分のスキルを活かして自分の力を試してみたい方や、より自由な働き方をしてみたいならフリーランスとして独立を考えてみましょう。
②ライター
文章を扱って業務を進める職種は、フリーランスと相性が非常にいいです。
主にWebライター、シナリオライター、ブロガー、編集者、コピーライター、翻訳家、脚本家などが挙げられます。
パソコンやスマホさえあれば場所を問わず仕事を進められるところが、ライターの職種のメリットです。
専門的な知識がない初心者でも気軽に仕事を始められるため、敷居が低いことも特長のひとつですが
高い単価で仕事を受注できるようになるまでには時間がかかることがデメリットになります。
③IT系
Webシステム、アプリ、プログラム、ゲームなど、IT技術に関わる職種もフリーランスのお仕事に向いています。
主に、エンジニア、コーダー、データアナリスト、プログラマーなどです。
職種にもよりますが、IT系の職業は、場所を問わず仕事を進められる傾向にあります。
クライアント側が満足できるスキルを持ったエンジニアやプログラマーなら、
これからIT人材の需要はさらに拡大していく事もプラスしてフリーランスとしても活躍できる可能性は高いです。
より専門的な知識を習得するとフリーランスとして仕事の幅が強くなります。
④マーケター
マーケター系の職種はフリーランスの求人が年々増えています。
具体的な職業としてはWebマーケター、データサイエンティストなどが挙げられます。
SNSやオンラインサービスが普及したことにより、Webマーケティングの知識は需要が高まっています。
フリーランスのマーケターが重宝されている大きな理由は、企業所属のマーケターが意外にも少ないからです。
デザイン×マーケターなどスキルのかけ合わせを意識すると仕事の幅は広がります。
フリーランスの仕事の探し方
仕事の探し方
フリーランスとして独立しても、仕事を受注できなければ成り立ちません。
気になるおすすめの仕事探しの方法について紹介をします。
前職からの業務委託
1番安心なのが前職の職場から自分が担当していた業務を業務委託として引き継ぐ方法です。
信頼関係を既に築いている一緒に仕事をしてきた仲間と連携して仕事ができるので、トラブルにもなりにくく安心して仕事ができます。
知人からの紹介
名前が広く知られていないうちは、新規案件を取ることが難しいので
知り合いから仕事の依頼や紹介を受けて、フリーランスとしての実力を身につけていくのもおすすめです。
「最近こんな勉強を始めた」「こんなお仕事が出来る」ということを
身近な知り合いに伝えていったり、SNSで発信していきましょう。
クラウドソーシングの利用
実績の少ないうちに最初にチャレンジしたいのがクラウドソーシングに登録して案件を獲得する方法です。
代表的なサービスは「クラウドワークス」や「ランサーズ」などが挙げられます。
こういったサービスを利用することで、売上からの手数料はとられるものの、未払い等のトラブルを避けやすく、初心者でも安心して仕事を受注する事ができます。
初めたての場合、仕事を受注するためにはプロフィール欄やポートフォリオを充実させて
クライアントの目に留めてもらえるように努力が必要になります。
SNSでの仕事受注
近年フリーランスの営業活動のひとつとしてSNSは必須ツールになっています。
自分の実績やスキルをSNSで発信しながら仕事を探すと、新たな仕事依頼や企業との出会いがあるかもしれません。
SNSがポートフォリオの代わりになったり、SNSのマーケティングのお仕事にもつながる場合もあります。
SNSを通しての仕事獲得を見据えて、SNSをしっかりと活用していきましょう。
ブログやホームページの開設
SNS以外に仕事を引き受ける窓口として、ブログやホームページなどのオウンドメディアもおすすめです。
自分の実績や制作物をポートフォリオとして掲載することで、関係者の目に留まったり、求人の際に自分のスキルをアピールする事ができます。
またSNSで気になった人がホームページに飛んでくれてあなたのことをより深く知ってくれるきっかけとなります。
ホームページを持つことで「信頼度」が増します。
個人でお仕事をするフリーランスとして「信頼」はとても大切なキーワードになりますので
早い段階でのホームページ作成がおすすめです。
フリーランスのメリット・デメリット
フリーランスとして働くことのメリット・デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
フリーランスになる前にメリット・デメリットを踏まえた上で、本当に自分はフリーランスになりたいのかをよく考えることが大切です。
考えてみた結果、会社員として働くほうが向いているというケースもあります。
フリーランスのメリット
フリーランスのメリットはこちらの4つになります。
①柔軟な働き方ができる
フリーランスのメリットとしてまず挙げられるのは、スキルさえあれば柔軟な働き方ができることです。
会社員のように会社に合わせて勤務しなければならないことはありません。
なかには取引先のオフィスに常駐する方もいますが、多くの職種は自分で働く時間や場所を選ぶことができます。
デザイナーやエンジニア、ライターなどの中にはフリーランスとして、アジアやヨーロッパの国々に移住して働く人や、転々と海外を旅しながら働く人もいます。
子育てや介護のために出来るだけ自宅にいたいという人にとっても、フリーランスの働き方はメリットが大きいです。
また休みを自分の好きな時に取れるのもメリットの一つです。
② 自分で仕事を選べる
もし自分とは合わないなと思う取引先だった場合は、一緒に仕事をしないという選択肢もあります。
同僚や上司と合わない場合、会社員の場合は転職をするかあきらめるかの大きな決断になりますが、
フリーランスの場合はある程度プロジェクトの目処がたったら、今後は一緒に仕事をしないという道も選べます。
成果次第で収入がアップ
フリーランスは一つの依頼で得られる報酬がそのまま自分の手元に入ってきます。
成果次第で収入がアップすることもあるため、会社員の平均給料を超える収入を手に入れる可能性も十分にあり、
案件次第では会社員時代よりも大幅に年収アップも期待できるでしょう。
定年や退職といった概念が存在しない
フリーランスには定年や退職といった概念が存在しません。
会社勤めでは60歳や65歳等の一定の年齢で定年退職を余儀なくされますが、
フリーランスは需要のあるスキルを持って仕事ができる限り、何歳になっても働くことができます。
現在老後資金が不安視される日本において、年金以外で得られる収入源があることは今後の生活の安心にもつながるでしょう。
フリーランスのデメリット
続いてフリーランスになることで発生するデメリットを3つ紹介します。
①収入が上下する可能性が高い
メリットの紹介で収入アップを挙げましたが、成果やクライアントの状況によって収入額にばらつきが生じる点もフリーランスの特徴です。
仕事を獲得するためには自ら行動する必要があり、月ごとの仕事量が安定しなければ、収入が上下してしまう可能性が高くなります。
そのため、毎月一定の収入を安心して受け取りたい人にとってはデメリットといえるでしょう。
②年金の受給額が減少
会社員は国民年金や厚生年金の両方から給付金を受け取れますが、フリーランスは厚生年金に加入できないため、国民年金のみとなります。
会社員と比較すると、公的年金の受給額が減少するため、
将来必要になる貯蓄については別途考えておかなければなりません。
ただしフリーランスや個人事業主を対象とした共済年金制度などもあるので、加入すれば年金の受給額を増やすことが可能ですのでこちらも検討をしてみてください。
③確定申告に手間が取られる
フリーランスとして働く場合、確定申告の帳簿記入や手続きに時間を費やす必要があります。
手間もかかりますし、数字が得意でない人にとっては大変な作業になります。
会社員であれば担当部署がまとめて年末調整を行ってくれますが、フリーランスは自分ひとりで本業以外の事務処理もしなければなりません。
「難しそう・・」というイメージがある確定申告が原因で、フリーランスに踏み切れない方もいるでしょう。
しかし最近は会計ソフトも非常に優秀なものも多く、処理を簡易化できますのでフリーランスになる際はソフトの導入も検討してみましょう。
デメリットをお伝えして少し感じた人もいるかもしれませんが、日本ではまだまだフリーランスは弱い立場であることは間違いありません。
例えば、フリーランスは労働基準法の適用対象になりません。
トラブルに巻き込まれないためにも、契約書は必ず作成するようにしましょう。
またトラブルがあった時のためにフリーランス向けの保険や協会の会員になっておくことも検討してみましょう。
フリーランスを長く続けられる人の特徴
フリーランスと直接雇用の会社員を比較してみると、直接雇用の会社員の方がメリットは大きいなと思った人もいると思います。
自分の中で大切にしたいことはなんでしょうか。
会社員もフリーランスも自分にとって最適な働き方が選択できることが一番大切です。
そもそもフリーランスに向いている人はどんな人なのでしょうか。
特徴はこちらになります。
①自己管理をきちんとできる人
フリーランスに場合、自分の代わりがいません。
企業のように有給休暇もありません。
そのため自分が何かあった場合に仕事が進まないので、自己管理や体調管理は非常に重要です。
無理をしてミスが増えてしまったりしては、クライアントからの信頼も失われてしまいます。
そのため健康管理も大事な仕事です。
日頃から積極的に運動をしたり、会社員を離れると忘れがちな定期的な健康診断もフリーランスにとって大事になってきます。
また納期管理やコスト管理を適正に行えることも必要です。
特に在宅で仕事をする場合、スケジュール管理等すべて一人で行う必要があります。
締め切りをしっかり守りながら品質の高い仕事ができることは、相手先との信頼関係構築にも深く関わってくるでしょう。
②適性なコミュニケーションを取れる人
フリーランスは状況に応じて適性なコミュニケーションを取れることが求められます。
常に互いの状況が把握できる環境ではないため、困った時や報告が必要な時に、
積極的にコミュニケーションを取れることは大切です。
そうしていかないと誤解や理解不足が生じてしまい仕事にも影響します。
適切な意思の伝達や情報共有などを適したタイミングでできる人が求められるフリーランスになっています。
一人で仕事したいからフリーランスになりたい場合、オンラインを駆使して仕事に繋げることも可能ですが、
相手の意思や思いを汲み取る事はオンラインベースでも必ず必要になります。
③向上心の高い人
自らスキルアップの機会を見つけられる勉強熱心さや、世の中のトレンドをキャッチできることも重要です。
常にアンテナを張り、セミナーやイベントに参加したり、さまざまなメディアから情報を収集したりといった学んでいく力が必須です。
フリーランスの給料日はいつ?
フリーランスになるとしても、お金のことも気になりますよね。
企業勤めであれば毎月決まった日付に決まった給料が支払われますが、
フリーランスはクライアント(仕事相手)によって異なるため、報酬の振り込み日も変わります。
そのため仕事の単価次第で月々の収入も変動します。
報酬未払いなどのトラブルに発展しないよう、契約時に報酬の支払いや金額に関してはよく打合せすることが必要です。
フリーランスになる前にやっておいた方がいい2つのこと
フリーランスになる前に必ずやっておいた方がいいことが2つあります。
①クレジットカード作りやローンを組むのは退職前に済ます
フリーランスという働き方は日本でも一般的になりつつあり、高額を稼ぐフリーランスも数多く存在します。
しかし収入の波があるフリーランスはまだ不安定な仕事とみなされがちです。
そのため企業勤めの会社員よりもクレジットカードやローンの審査に苦労することも多いです。
名の知れた俳優でさえ、ローンを組めなかったりします。
クレジットカード、ローンについてクレジットカードを作ったり、マイホームや車のローンを組んだりすることは、給与所得がある間に済ませておきましょう。
たとえ同じ年収であってもサラリーマンは審査に通るのに、フリーランスでは通らなかったり、ローンを受けられる金額が低くなったりすることがあるのです。
フリーランスとして独立を考えている人は会社を退職する前にクレジットカードの作成、ローンを組んだ支払いなどは済ませておきましょう。
②フリーランスになるための環境づくりをする
何も準備せずにフリーランスとして活動しはじめても、安定した収入を得ることはできません。
まずはフリーランスで働くために必要な場所や物品の準備をしておきましょう。
すぐに仕事が受注できるようにエージェントやクラウドソーシングへの登録、SNSでのPR活動も予め必要です。
現在のフリーランスの仕事において、インターネット環境も欠かせません。
フリーランスは、さまざまなクライアントと仕事をするため、相手が指定したツールやSNSに合わせて連絡をしたり、
書類や納品物をやりとりしたりする必要があるため、一通り使えるようになるとよいでしょう。
フリーランスになると決めたらやること
ここからは実際にフリーランスになったらやることをリストアップしていきます。
独立直後は本業以外にやることも多く、忙しくなりますので事前にどんなことをするのかを押さえていきましょう。
開業届を提出する
個人事業主としてフリーランスになる場合は、所轄の税務署に開業届を提出しましょう。
開業届とは、フリーランスとして独立することを税務署に知らせる届出です。
フリーランスになったら自分で一年間の所得を計算・申告して納税をしなければなりません。
この一連の作業を確定申告といいますが、節税効果が高い青色申告を選択したい場合は、
開業届と青色申告承認申請書の提出が必須です。
青色申告って何?
青色申告は、確定申告の種類の1つで、所得税を正しく納税するために行う申告納税制度のことです。
青色申告と白色申告の違いは?
確定申告には青色申告の他に「白色申告」というものがあります。簡潔に言うと、白色申告は、青色申告よりも対応が簡単ですが、節税メリットがありません。
事業用の銀行口座・クレジットカードを作る
フリーランスになったら、個人の銀行口座と事業用の銀行口座を分ける必要があります。
口座を分けることでお金の流れが明確になり、経理作業を効率化できます。
また事業用のクレジットカードを作るといいでしょう。
フリーランスはクレジットカードの審査に通りにくいと前述しましたが創業当初でも申し込み可能なカードもありますので調べてみてくださいね。
確定申告の準備を始める
フリーランスの一大イベントの一つに確定申告が挙げられます。
確定申告とは、一年の所得を計算・申告し、納税するまでの一連の作業をいいます。
多くのフリーランスが頭を抱える、あまり嬉しくないイベントですが、一年に一回頑張りましょう。
他にも健康康保険と年金の切り替え手続きもありますが状況によるので、自分の状況に合わせて手続きを進めていきましょう。
まとめ
フリーランスは自分の得意分野で時間や場所にとらわれずに活躍できる働き方です。
今後もますますフリーランス人口は増えていくことが予想されますが、フリーランスはメリットばかりではないですし、
一番重要なのは「自分にあった働き方であるかどうか」です。
初めは分からないことが多いと思いますが、未経験の方でも新しい働き方にチャレンジする事ができます。
本記事を参考にフリーランスになるために準備を進めていきましょう。
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