AI技術の進化によりさらに便利になったChatGPTシリーズの中でも、最近リリースされた「OpenAI o3-mini」は大きな注目を集めています。
「o3はどのように進化したの?」「o3-miniは無料で使えるの?」といった疑問やo1・o3との違い、なぜo2が存在しないのかなど気になる点も多いのではないでしょうか。
本記事では、OpenAI o3-miniの基本情報から実際の使い方、具体的な活用事例までを初心者向けにわかりやすく解説します。最新AIの全貌を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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目次
生成AIの2つの主要モデル

生成AIは大きく2つの主要モデルに分けられます。
まずはじめに、その2つの主要モデルについて簡単にご説明します。
①短期思考モデル
短期思考モデルとは、ユーザーからの質問や指示に対してすばやく答えを生成するタイプのAIモデルです。あまり深く考え込まず、与えられた入力に従ってすぐにアウトプットを出すのが特徴です。
従来から多くのAIがこの方式を採用しており、まさに「質問されたらすぐ答える」動きをします。人間で例えると聞かれたことに即答する人のようなイメージです。
このモデルは、スピードが求められる場面で力を発揮します。例えば、日常的な質問への回答や簡単な文章生成など、複雑な推論を必要としないタスクによく使われます。
チャットボットのようにリアルタイムでやり取りするシステムでは、この即応性が重要です。また簡単な要約や翻訳、アイデア出しなど、すぐに結果を得たい場合に適しています。
②推論・戦略モデル
推論・戦略モデルとは、回答を出す前にじっくりと考えるタイプのAIモデルです。難しい問題や複雑なタスクに対して、いきなり答えを出そうとせずいくつかのステップに分けて考えながら結論を導き出すのが特徴です。
人間で例えるなら、すぐには答えずに紙に書き出したり計算したりして、論理立てて解決策を練る人のようなイメージです。このモデルは内部で「推論(理由づけ)」「戦略(解決策のプランニング)」を行っており、より論理的で一貫性のある回答を生成できます。
このモデルは、複雑で難易度の高い課題に取り組む場面で活躍します。例えば、詳細な分析が必要な質問や、段階的な思考を要する問題解決に向いています。
▼ChatGPTの詳しいプロンプトについては、こちらの記事がおすすめです
OpenAI o3-miniとは?

OpenAI o3-miniとは、一体どのようなAIモデルなのでしょうか?
ここでは、最新のOpenAI o3の特徴や進化、o3-miniの概要と速度向上のポイント、さらに過去モデルとの比較や推論能力について解説します。
OpenAI o3-miniの概要と速度向上
OpenAIo3-miniは、OpenAI o3の小型バージョンであり、特に応答速度とコスト効率を重視して開発されたモデルです。2025年1月31日にリリースされ、o1-miniの後継として位置付けられています。
このモデルの主な特徴として、以下の点が挙げられます。
応答速度の向上
o3-miniは、o1-miniと比較して平均24%の高速化が実現されました。例えば、従来のo1-miniでは10.16秒かかっていた処理が、o3-miniでは7.7秒に短縮されました。これにより、リアルタイムでの応答性能が向上し、よりスムーズな対話が可能になっています。
OpenAI公式資料
正確性の向上
o3-miniは、o1-miniと比べて誤答の発生率が39%低減されました。特に、数学やプログラミング関連の質問では、従来のモデルよりも明確で正確な回答が得られるようになっています。
OpenAI公式資料
開発者向け機能の充実
o3-miniは、関数呼び出しや構造化出力などの機能をサポートし、APIを活用した開発環境に適した仕様になっています。これにより、プログラムを通じてモデルを利用する際の柔軟性が大幅に向上しました。
最新モデル「OpenAI o3」の特徴と進化
OpenAI o3は、OpenAIが2024年末に発表した最新のAIモデルです。このモデルの最大の特徴は
「推論(Reasoning)」能力の強化であり、特に数学・科学・プログラミングなどの分野での問題解決能力が向上しています。従来のモデルに比べ、より複雑な課題を段階的に考え、適切な回答を導き出すことが可能になりました。
例えば、博士課程レベルの科学問題(GPQA Diamond)では、約79.7%の正解率を記録し、前世代モデルであるo1を上回る成績を収めています。これにより専門的な知識が必要な質問にも、より正確で信頼できる答えを提供できるようになりました。
OpenAI公式資料
また、o3は単に正確性を向上させただけでなく、推論プロセスの最適化にも取り組んでいます。従来のAIは単純な質問には強かったものの、論理的な思考が必要な問題では誤答が多くなりがちでした。
しかし、o3では「チェーン・オブ・ソート(Chain-of-Thought)」という手法(思考の過程を段階的に説明しながら答えを導く手法)を活用し、複数のステップを踏みながら答えを導き出す仕組みが導入されています。
これにより、数学の証明やプログラミングのデバッグ(プログラムのバグ(誤りや不具合)を発見し修正する作業)など、思考力を求められる課題に強くなっています。
o1とo3の比較
OpenAIの「oシリーズ」は、推論能力を強化したAIモデル群として開発されました。
o1は2024年9月に公開された最初のモデルで、従来のGPTシリーズと比べて、より高度な論理的思考が可能になりました。その後継となるo3は、さらに推論能力が向上しています。
【▼数学問題のベンチマークテスト】

【▼科学問題ベンチマークテスト】

【▼コーディングのベンチマークテスト】

「OpenAI o2」が存在しない理由
OpenAIがo1の次にo3を発表した理由については、商標上の問題が関係しています。
イギリスなどでは「O2」という携帯電話会社が存在するため、商標の混同を避けるために「o2」を飛ばし、「o3」として命名されたとされています。
OpenAI o3の推論(Reasoning)能力の詳細
OpenAI o3シリーズの最大の特徴は、「推論能力」の強化です。従来のモデルでは、単純な質問には強かったものの、論理的なステップを要する問題では誤答が多く発生していました。
しかし、o3では「チェーン・オブ・ソート(Chain-of-Thought)」と呼ばれる技術を導入し、段階的に考えながら回答を生成する仕組みを採用しています。この技術により、数学の証明問題やプログラミングのデバッグなど、複雑なタスクにも対応可能になりました。
例えば、ある数式の証明を求められた場合、o3はまず式の展開を行いその後に証明の過程を論理的に進めることで、より正確な解答を導き出すことができます。
【▼「円周率が3.05より大きいことを証明せよ」と入力】

推論エフォート
o3-miniでは「推論エフォート」を調整できる機能が追加されました。
推論エフォートとは、AIにどれだけ深く考えさせるかを調整できる設定のことです。o3-miniでは、AIの回答のスピードと深さを3つのモード(「low(低)」「medium(中)」「high(高)」)で切り替えることができます。
それぞれのモードには異なる特徴と適した用途があり、初心者の方でも迷わず使えるように以下に具体的な例を交えて説明します。
3つのモードの特徴
- Low(低): このモードでは、AIが深く考えずスピード重視で回答します。簡潔な回答が得られるため、シンプルな質問や短い応答に適しています。例えば、「5+3は?」のような簡単な計算や「リンゴは果物ですか?」のように一言で答えられる質問なら、Lowモードで素早く答えを得られます。
- Medium(中): このモードでは、AIが思考の深さと回答スピードのバランスを取って回答します。一般的な質問や日常会話に最適で、内容の詳しさと応答の速さが程よく両立したモードです。例えば、「東京で人気の観光地を教えて」といった情報検索や、日常的な疑問にはMediumモードが適しています。
- High(高): このモードでは、AIがよりじっくり深く考え、多くの情報や複雑な論理を考慮して回答します。そのため、応答にやや時間がかかりますが、内容の濃い詳しい答えが得られます。例えば、プログラムのデバッグを手伝ってもらう場合や「AIの倫理について議論してください」のような専門的で複雑な質問には、Highモードが適しています。
このように、OpenAI o3-miniは従来のAIモデルと比べて大幅に推論能力が向上し、より複雑な問題にも柔軟に対応できる仕様となっています。初心者から上級者まで幅広いユーザーにとって、より扱いやすいモデルになっている点が大きな魅力です。
OpenAI o3-miniの使い方

OpenAI o3-miniは、ユーザー設定画面から簡単にモデルを切り替えることができます。
画面左上の「モデル選択タブ」をクリックすると、o3-miniを含む各種モデルが一覧表示されます。使用したいモデルを選択するだけで即座に反映されるため、初めての方でも簡単に操作が可能です。


OpenAI o3-miniは思考時間が表示され、「>」をクリックするとどのように答えを導き出したか確認することができます。

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OpenAI o3-miniは無料で利用できる?

OpenAI o3-miniは2025年1月のアップデート以降、無料ユーザーでも利用できるようになりました。
従来、無料プランでは高度なモデルの利用は制限されていましたが新たに「推論」を選択することで、o3-miniを使用できるようになりました。
これは、無料プランで初めて推論用の特化モデルが利用可能になった事例です。

▼ChatGPTの無料版・有料版の違いについてはこちらの記事をご参考ください
OpenAI o3-miniの活用事例

OpenAI o3-miniは、さまざまな分野での活用が期待される高度なAIモデルです。
ここでは、プログラミングのサポートや教育・医療分野での応用、リサーチ業務の効率化など、o3-miniの具体的な活用事例について詳しく解説します。
プログラミングのサポート(コード生成・デバッグ)
OpenAI o3-miniはプログラミングを学習する初心者からプロの開発者まで幅広く活用されています。
まず、o3-miniは自然言語での指示をもとに、プログラムのコードを自動生成できます。例えば、「Pythonでリストの重複を削除するコードを教えて」と入力すると、指示に合ったコード例を提示してくれます。
またプログラミング初心者の方は「コードの説明をしてほしい」「なぜこの処理が必要なのか教えて」と質問することで論理的な解説を受けられるため、理解を深めることができます。
【▼「Pythonでリストの重複を削除するコードを教えて」と質問】

その他にもデバッグ(エラー箇所の調査)の支援が充実しておりエラーメッセージの原因究明と修正方法を提示してくれたり、関数呼び出しやJSON形式でのデータ出力に対応しているため、他の開発ツールとの連携もスムーズに行えます。
ただし、AIの提案はあくまで参考情報として活用し自分でしっかり確認することが重要です。
教育分野での応用
OpenAI o3-miniは、教育と医療の分野でも有用なツールとして活躍しています。特に学習支援や診断支援など、専門知識が必要な分野での活用が進んでいます。
教育分野では、OpenAI o3-miniが「パーソナルチューター」として機能します。例えば、数学の問題を送るとステップごとに丁寧に説明しながら解答を導いてくれます。
【東大理系数学の問題を送ると正しい解答が出力されました】
黒玉3個,赤玉4個,白玉5個が入っている袋から玉を1個ずつ取り出し,取り出した玉を順に横一列に12個すべて並べる。ただし,袋から個々の玉が取り出される確率は等しいものとする。
どの赤玉も隣り合わない確率 p を求めよ。

また、教師向けには教材作成の支援が可能です。
例えば、「高校生向けの電磁気学の授業プランを作って」と依頼すると、講義内容や例題、演習問題を含んだ詳細なレッスンプランを生成できます。さらに、内容の難易度を調整することもできるため、学年やレベルに応じた最適な教材を作成できます。
【▼実際に出力された高校生向けの電磁気学の授業プランの一部】

このように、OpenAI o3-miniは教育での活用が広がっており、学習支援ツールとして有望な存在となっています。
リサーチ業務の効率化とSTEM領域での性能向上
OpenAI o3-miniは、研究やリサーチ業務の効率化にも貢献しています。特に、文献調査やデータ分析の自動化により研究者の作業負担を軽減します。
まず、o3-miniは文献の要約を得意としています。長い学術論文を入力すると、主要なポイントを抽出し、短時間で内容を把握できるようにまとめてくれます。
例えば、「最新の量子コンピュータに関する論文を要約して」と依頼すると、重要な結論や実験結果を簡潔に整理してくれます。また、インターネット検索機能を活用し、最新の研究動向を調査することも可能です。
【▼実際に最新の量子コンピュータに関する論文を要約してもらった出力の一部】

その他にも、STEM(科学・技術・工学・数学)領域での性能向上も注目されており、数学や物理の難しい問題や競技プログラミング、データ分析のコード作成も得意としています。
気になる方はぜひ実際に試してみてくださいね。
▼ChatGPTを日本語で利用する方法(登録・ログインから活用アイディアまで)を詳しく学びたい方はこちらの記事もおすすめです
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ChatGPTを利用していると、「もっと自然な日本語を引き出したい」「ビジネスでの具体的な活用法を知りたい」「効率的な質問の仕方を学びたい」など、さまざまなニーズが出てくるかもしれません。
特に、業務効率化やクリエイティブなアイデア創出を目指す方にとってChatGPTを正しく使いこなせるスキルは大きな武器となります。
こうしたニーズに応えるため、mikimiki Webスクールでは初心者向けの「0から始めるChatGPTプロンプトエンジニアリング&画像生成AI DALL-E3マスター講座」も開講しています。
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よくあるご質問

- OpenAI o3-miniの回答は正確ですか?
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推論力は優れていますが、生成される回答が必ずしも正確とは限りません。大切な情報や専門的な内容については、他の資料も参考にして確認することをおすすめします。
- OpenAI o3-miniはどんな用途に向いていますか?
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OpenAI o3-miniは、特に高度な推論を必要とするタスクで力を発揮します。特に「数学・科学の問題」、「プログラミング支援」、「長文の要約・分析」に向いています。
まとめ

今回は、OpenAI o3-miniの基本情報から実際の使い方、具体的な活用事例について詳しく解説しました。
o3-miniは高速かつ高度な推論能力を持ち、プログラミングのサポートや教育・医療分野での活用、研究業務の効率化など幅広い用途で利用できます。無料で試せる点も魅力の一つであり、有料プランではさらに高性能な機能を活用可能です。
この記事を参考にみなさんの目的に合った活用方法を見つけて、OpenAI o3-miniを最大限に活用してみてくださいね。
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